地球上の位置情報を表現する緯度と経度の数値には2種類の表記方法(60進法と10進法)があります。
このため、表記方法を取り違えてしまうと間違った場所を指示してしまいます。
このページでは、2種類の緯度経度の表記と変換方法について紹介します。
経緯度の2種類の表記

経緯度の表記には、60進法と10進法の2種類があります。
60進法はその名の通り60を単位として角度を表現する方法であり、度(°)、分(’)、秒(”)の三つの単位で角度を表現します。
地球1周が60の倍数である360°であることを前提とし、1度を60分、1分を60秒として角度を表記します。
60進法による経緯度表記の歴史は古く、紀元150年頃にプトレマイオスが世界地図上の位置を決定するため、地球1周を360度に等分した緯線・経線を決めたことが起源であるとされています。
このため、伝統的な航海術や天文学の分野では60進法が使われる傾向にあります。
10進法は10を単位として角度を表現する方法です。
昔は世界各地でバラバラだった単位をSI単位系という世界標準の単位系に統一した際に10進法が使われたため、
距離など日常生活で使う単位の多くが10進法です。
10進法は数値計算に向いているため、GIS (Google Mapなど)では経緯度においても10進数が併用されます。
10進数で経緯度を表記する場合も、度の単位は60進数が併用されます(北緯/南緯0~90°, 東経/西経0~180°)。
一方、60進数の「分」「秒」は10進数で表記されます。
例:日本経緯度原点の位置
【60進法】北緯35度39分29秒1572 東経139度44分28秒8869
【10進法】35.65809922, 139.74135747
60進数と10進数の変換

以下では、60進法と10進法の間の変換方法について紹介します。
60進法から10進法への換算
60進法から10進法へ変換する公式は以下の通りです。
分を60分の1倍、秒を3600(=60×60)分の1倍します。
角度(10進数)=度+(分/60)+(秒/3600)
例:35°39'29" = 35 + 39/60 + 29/3600 = 35.6581
10進法から60進法への換算
10進法から60進法へ変換する公式は以下の通りです。
度(°):10進数の整数部分
分(’):(小数部分 × 60)の整数部分
秒(”):{(小数部分 × 60)の小数部分}×60
例:35.6580 → 35° (0.6580×60)' (0.48×60)" →35°39' 29"
参考文献
No.003】緯度経度の表記方法とは?10進法と60進法の違いや変換方法についてわかりやすく解説 GIS Academy 2025/11/16閲覧
角度の10進法と60進法の換算について 名古屋品証研株式会社 2025/11/16閲覧
緯度・経度の起源は何ですか。なぜ1度=60分なのですか。 株式会社帝国書院 2025/11/16閲覧
なぜ「度」で測る? 角度の単位に秘められた歴史 株式会社トプコン 2025/11/16閲覧
日本経緯度原点 ウィキペディア 2025/11/16閲覧