今回は、高速道路の交通量データの可視化を行い、コロナ禍の外出自粛による交通量激減からの回復状況の区間ごとの違いを見ていきます。
今回使用するデータは、ダウンロードや構造化データに直すまでに一手間かかるため、前処理の工程についても細かく分けて紹介します。
高速道路の交通量の推移
2020年以降のコロナウィルスの感染拡大が原因で外出自粛が広がり、特に2020年5月はGWにも関わらず高速道路の交通量も各地で大幅に減少しました。
その後、2023年にかけて交通量が回復していきましたが、交通量の回復状況は区間により大きく変わってきます。
同じ高速道路の区間であっても、日常利用の短距離移動が多い区間や長距離移動やレジャー利用が多い区間などの特徴があり、利用形態の違いがコロナからの回復状況の違いとなって表れます。
今回は、高速道路の乗用車(小型車)の交通量データを簡単に可視化することで、高速道路の利用動向について確認します。
今回使用したデータはダウンロードや構造化データに直すまでに一手間かかります。
そこで、データの取得・前処理と可視化についていくつかの工程に分けて紹介します。
データについて
今回は、国土交通省が公表している日別の高速道路の交通量増減のデータを使用して、区間ごとの交通量の推移を可視化しました。
コロナ前の2019年から2023年にかけての全国40箇所の高速道路の日別の交通量を確認できます。
全国・主要都市圏における高速道路・主要国道の主な区間の交通量増減(国土交通省)
このデータでは、全国40区間における高速道路の日次交通量を小型車、大型車、全車の3パターンで公表しています。
このデータには前年比較としてコロナ前の2019年のデータも併記されているので、コロナ前からコロナ後にかけての高速道路の交通量の推移をたどることができます。
データ取得期間:2019年1~12月、2020年5月~2023年4月
データの取得
データは日別にPDF形式で提供されているので、Pythonのurllibパッケージを使って自動化してダウンロードしました。
PDFファイルのダウンロードについては、次のページでまとめています。
参考日別に分かれた大量のPDFからデータを取得
ここでは、PythonのBeautifulSoupとurllibパッケージを使用して大量のPDFをダウンロードする実装について紹介します。手動で保存するには数が多すぎる場合も、ウェブサイトがきれいに構 ...
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交通量データの抽出
PDFデータにはテーブルデータ以外の情報も掲載されているため、必要なテーブルデータのみを取得してCSVファイルとして保存しました。
処理の詳細は次のページでまとめています。
参考PDFからテーブルデータを取得
前回、国土交通省のウェブサイトから高速道路の日次交通量のPDFファイルをダウンロードしました。今回はダウンロードしたPDFを読み込み、PDFファイルの中にある表(テーブルデータ)を取得してCSVに保存 ...
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データの可視化
以下は区間ごとに交通量の月次推移を可視化しました。
全国40区間の交通量を可視化した結果から、特に特徴的な傾向が見られた4区間について、コロナ前からの回復状況の違いと利用層の違いについて考察しています。
参考コロナ前後の高速道路の交通量データの時系列推移を可視化
コロナ禍の交通量の減少とその後の回復は区間によって大きな差があります。 ここでは、コロナ禍をはさんだ2019年から2023年4月までの期間の高速道路の交通量の推移を可視化し、区間ごとのコロナ影響を差異 ...
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参考文献
全国・主要都市圏における高速道路・主要国道の主な区間の交通量増減 国土交通省 2023/5/18閲覧