主食以外として食べられる穀物を雑穀といいます。
このページでは、雑穀の例としてモロコシ(コーリャン)、キビ(黍)、アワ(粟)、ヒエ(稗)について紹介します。
穀物全体や他の作物の詳細については以下のリンク先をご覧ください。
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雑穀(ミレット)とは
米や小麦のように主食として食べられている穀物を主穀(しゅこく)とよぶのに対し、主食以外として食べられる穀物を雑穀といいます。
雑穀は英語名(millet)を音訳してミレットともよばれます。
雑穀の例として、モロコシ(コーリャン)、キビ(黍)、アワ(粟)、ヒエ(稗)などがあります。
雑穀は現在ではあまり食べられていませんが、古くから食用として栽培されてた歴史があります。
雑穀は低温、高温、乾燥など条件の不利な土地でも栽培できるというメリットがあるため、アジアやアフリカでは食用として利用されてきました。
日本でも雑穀は歴史的に重要な穀物でしたが今日では他の作物に押されて生産量は減少傾向が続き、数十~百トン程度(2018年)と非常に少なくなっています。
日本では岩手県を中心に生産され、モロコシ、キビ、アワ、ヒエいずれも生産量の上位を占めています。
以下では、モロコシ、キビ、アワ、ヒエについて順番に紹介します。
モロコシ
モロコシはエチオピア原産の熱帯地域の作物です。
乾燥にも強く、米や小麦が生育しない地域でも成長します。
トウモロコシと名前が似ていますが別の作物です。
英語名(sorghum)を音訳してソルガムともよばれます。
中国では東北部で栽培される品種がありコーリャン(高粱)とよばれます。
アフリカやインドではおかゆにしたり、平らなパンに成形して主食として食べられるほか、酒の原料にもなります(例:中国の白酒)。
一方、アメリカ合衆国やメキシコ、オーストラリア、日本などでは主に家畜飼料として使われます。
キビ(黍)
キビはヨーロッパ~中央アジア~インド・中国までの広い範囲で有史以前から食用とされてきた穀物です。
日本ではおとぎ話「桃太郎」に登場するキビダンゴの原料として知られています。
乾燥に強い上に寒冷地でも栽培可能であり、世界の広い範囲で栽培できます。
中国では米に対して1-2割の分量で混ぜて炊飯して主食として食べられます。
他には菓子やアルコールの原料にしたり、飼料用として利用されます。
アワ(粟)
アワ(粟)は有史以前から世界各地で食用とされてきた穀物です。
日本では縄文時代から栽培され、稲作が伝わる前はアワが主食だったと考えられています。
アワは種子が小さいため水の消費量が少なく、中国やインドの乾燥した地域にとって重要な作物です。
日本では第二次世界大戦後に生産量が激減しました。
現在でも菓子や酒の原料に使用されますが、主に小鳥のエサなどの飼料用として使用されます。
ヒエ(稗)
ヒエ(稗)はインドや中国をはじめとするアジアで広く栽培されている穀物です。
乾燥や低温に強いため、水田を作れない丘陵地帯や気温の低い山間部で栽培されてきました。
低温に強い特徴からヒエは「冷え」に耐えることを由来するとされています。
さらに収穫した穀物を保存できる期間も長く、冷害などの不作で飢饉が発生した際に命をつなぐ救荒作物(きゅうこうさくもつ)としても利用されてきました。
食用としては米同様単独で炊飯したり、他の穀物と混ぜて炊飯して食べられてきました。
他にも、団子や飴(あめ)にしたり、みそやしょうゆ、酒の原料としても利用されてきました。
一般には米など他の穀物よりも味が劣るとされ、現在の日本では飼料用や郷土料理店との契約栽培などで限られた量しか生産されていません。
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参考文献
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アワ(あわ)とは コトバンク 日本大百科全書(ニッポニカ) 2023/1/23閲覧
アワ(粟) 一般社団法人日本雑穀協会 2023/1/23閲覧
原裕太「中国北部における雑穀生産の現状と可能性:河北省蔚県の食用アワを事例に」2021年度日本地理学会春季学術大会
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