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【共通テスト解説】2026年 地理総合、地理探究 本試験 第4問

大学入試共通テスト(2026年 地理総合、地理探究 本試験 第4問)の解説ページです。

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問題と解答

共通テスト(2026年 地理総合、地理探究 本試験)の問題と解答のリンクです。
問題文のPDFは下記リンク先から入手し、図表や問題文を手元に置きながら解説(次項)を見て下さい。
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入試速報トップ:河合塾朝日新聞
問題:読売新聞河合塾朝日新聞
解答:読売新聞河合塾朝日新聞

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過去問サイト:日本の学校中日進学ナビ

解説

第4問は繊維産業に関する設問です。

問1 天然繊維の生産

天然繊維(亜麻、ジュート、綿花)の国別生産量の統計地図と説明文から対応を答える問題です。
綿花に当てはまる図と文章を選びます。

<統計地図>
ア:米国、ブラジル、インド、中国で生産量が多い
イ:インド、バングラデシュに集中分布
ウ:フランスなどヨーロッパに集中分布

<説明文>
A 主要生産国では、河川沿いの肥沃な低湿地で主に栽培している。
B 主要生産国では、地力の低下を防ぐため、小麦やエン麦と組み合わせた混合農業による輪作をしている。
C 主要生産国では、プランテーションでの生産や、灌漑施設を用いた栽培がみられる。

綿花は温暖で収穫期に雨が降らない場所(乾燥帯や雨季と乾季がある場所)で栽培される作物で、プランテーションによる大規模栽培も行われています。
代表的な産地として米国南部があり、統計地図で米国に円があるのは「ア」のみなので、「ア」が綿花です。
他に円がある国も気候的に綿花の栽培環境に適しており、生産量が多い国です。

説明文ではCが綿花です。
綿花は収穫期の雨が大敵ですが、水自体は必要とするため乾燥帯で栽培する際は灌漑施設を用います。

正解:3

必要な知識:
・綿花の栽培環境と主要生産国

参考ページ:
綿花の栽培(綿繊維・綿実油)
繊維作物(麻・黄麻・ジュート・桑)

問2 繊維産業の事業所数推移

日本の化学繊維製造業と綿紡績業の1967年と2021年の都道府県別事業所数についてまとめた資料を見て、2021年の化学繊維製造業のグラフを選ぶ問題です。

資料中の文章を読むと「綿紡績業が盛んであった日本では」「高度経済成長期以降・・・化学繊維製造業が発展した」「オイルショックや新興国の成長などもあり、繊維工業の国際競争力は低下した。」とあります。
このため、綿紡績業は昔は盛んであったが、現在は国際競争力が低下しているとことがわかります。
それに対し、高度経済成長期に発展した化学繊維製造業は、同様に国際競争力低下しましたが、「現在は、炭素繊維などの新素材の開発が進められている。」ともあることから、綿紡績業よりはポジティブな要素があり、競争力もあると考えられます。

以上を総合して考えると、高度経済成長期の1967年にはまだ事業所数が多く、2021年には事業所数が大きく減少したものが綿紡績業であると推測できます。
上2つと下2つのグラフのを比較すると、上二つは102, 127事業所で数字がそこまで変わっていないのに対し、下2つのグラフは491, 29事業所であり数字が大きく違います。
このため、下側が「綿紡績業」であり、491事業所ある③が1967年であり、29事業所しかない④が2021年であると考えられます。このため、上側は「化学繊維製造業」であり右側の②が2021年です。

正解:2

必要な知識:なし

問3 日本の衣料品の輸入相手国

日本の国別衣料品輸入額変化の表の中からバングラデシュを選ぶ問題です。
①~④は韓国、中国、バングラデシュ、ベトナムのいずれかです。

衣料品は労働集約的な軽工業であり人件費が安い国で生産されるという特徴があります。
このため、以前は世界の工場と呼ばれた中国で生産されていましたが、中国の発展に伴う物価高騰・賃金上昇に伴い、ベトナム、さらにはバングラデシュといったより人件費が安い国に生産拠点が移っていったという経緯があります。

上の選択肢の中で韓国はそこまで人件費が安くないため、2013年に輸入額が最も小さい④です。
④は輸入額が少ない上に2003年→2023年で輸入額が低下傾向であり、日本の衣料品の主要な輸入国ではないこととも矛盾しません。

残りの中国、ベトナム、バングラデシュはいずれも日本の衣料品の主要な輸入国です。
①~③の表を見ると、
・③>②>①の順に輸入額が大きい
・③は2013年の輸入額は大きいが、ピークは2013年
・①は輸入額こそ少ないが、伸び率は最も大きい

早い時期に輸入額のピークを迎えている③が中国です。
次に輸入額が大きい②がベトナムであり、最も後発でまだ輸入額が小さいが増加率が大きい①がバングラデシュです。

正解:1

必要な知識:
・衣料品製造業の製造拠点推移

問4 小売業店舗立地

日本の小売業を業種別に見た店舗立地別の店舗数割合のグラフから、業種と立地の組み合わせを答える問題です。
グラフ中の業種カ・キが「衣料品・身回品小売業」または「自動車小売業」のいずれかです。
凡例E・Fは「都市中心部」と「ロードサイド」のいずれかです。

まず衣料品と飲食料品のお店はEに集中しており、Fは少ないです。
一方、キはEとFが同程度の割合です。

立地別に店舗数割合を考えるにあたって、以下の観点をふまえます。
・都市中心部は人口が多く集客力も強いため、多数の店舗が集まる一方、土地代やテナント料が高いため小さなお店が多数立地(例:大都市の駅ビル内に小規模店舗が多数出店)
・ロードサイド型店舗は車社会の地方・郊外に多く、土地代が安いことから少数の大規模店舗が立地(例:幹線道路沿いの駐車場つきの大型店舗(しまむらなど))

以上より、飲食料品小売店の数が多いEが都市中心部で、少ないFがロードサイドです。
また、東京などの大都市では車を持たない人も多いため、都市中心部では自動車用品の需要は低くなります。
このため、Fのロードサイドの割合が高い「キ」が自動車小売業で、ロードサイドの割合が低い「カ」が衣料品・身回品小売業です。

正解:1

必要な知識:
・都市中心部とロードサイドの店舗特性
・都市中心部とロードサイド店舗の商圏における自動車利用率の違い

問5 中古衣料品の輸出入

中古衣料品の輸出入国の統計地図と文章中の空欄に当てはまる語句を選ぶ問題です。

<統計地図>
J:欧米、インド、東アジアなどに分布
K:ヨーロッパ、中米、アフリカ、インド、東南アジアなどに分布(米国に分布なし)

JとKのいずれかが中古衣料の輸入額・輸出額です。
Jは経済的に恵まれた国が多く(米国が入っている)、Kは発展途上国が多い傾向です(アフリカが入っている)。
このため、Jが輸出、Kが輸入であると推測できます。

空欄サについては、「国際的なアパレル企業の本社が多く立地する(サ )では、再資源化の技術開発に関する取組みが盛んである。」とあることから、ブランド価値の高い衣料品メーカーが多数立地するヨーロッパ(EU)であることがわかります。
再資源化などの環境問題への取り組みもヨーロッパが進んでいることにも合致します。

正解:4

必要な知識:
・地域ごとの大まかな経済発展傾向
・ヨーロッパにはブランド価値の高い衣料品メーカーが本社を置いていること
・ヨーロッパでは環境保護やリユースなどの取り組みが進んでいること

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