砂漠と聞くと、一面に砂が広がるイメージが一般的ですが、実際には大きな岩石が露出した岩石砂漠の方が一般的であり、細かい砂が広がる砂砂漠の方が少数派です。
ここでは、岩石の大きさ(粒径)による砂漠の分類(岩石砂漠、礫砂漠、砂砂漠)について解説します。
粒径による砂漠の分類

砂漠は植生が乏しいため、地表の岩盤が露出しています。
露出したかたい岩盤は、日射や昼夜の寒暖差に起因する風化によって徐々に破壊されていきます。
風化が進んでいない場所ではかたい岩盤が露出した岩石砂漠が広がります。
風化が進み、岩盤が破壊されると、直径2mm以上の小石や岩石の破片(礫)が広がる礫砂漠となります。
岩石砂漠と礫砂漠は区別されないこともあり、両方をまとめて岩石砂漠と呼ぶこともあります。
礫砂漠の風化がさらに進み、より細かくなって岩石の直径が2mm以下になると砂砂漠と呼ばれます。
このように、風化の進行によって砂漠の岩石の粒径が細かくなり、それに応じて呼び方が変わります。
一般に砂漠というと砂砂漠のイメージが強いですが、実際には世界の砂漠のうち砂砂漠は2割程度であり、残り8割は岩石砂漠や礫砂漠です。
岩石砂漠

岩石砂漠は、地表の岩盤が直接露出し、表面が砂や礫に覆われていない砂漠です。
地表に岩盤が露出しているため、日射や昼夜の寒暖差により風化が進み、岩石が破壊されていきます。
現在、岩石砂漠と呼ばれている場所では、風化があまり進んでいないため地表の岩盤が直接露出しています。

礫砂漠

礫砂漠は、直径2mm以上の岩石や礫が広がる砂漠です。
地表に露出した岩盤の風化が進み、岩盤が破壊されて粗い礫(直径2mm以上の岩石)となります。
このように、地表に粗い礫が広がる砂漠が礫砂漠です。
さらに風化が進み、直径2mm未満まで細かくなると、砂砂漠と呼ばれます。
礫砂漠を岩石砂漠の一部に含める場合もあり、両者を区別せずにまとめて岩石砂漠と呼ぶこともあります。

砂砂漠

砂砂漠は、直径2mm未満の砂が広がる砂漠です。
礫砂漠で見られた礫(小石など)が風化によりさらに細かくなり、直径2mm未満まで小さくなると砂砂漠と呼ばれるようになります。
砂砂漠では地表を砂が覆っています。
砂は軽いので風に巻き上げられ、砂漠の中で特定の場所に積み上げて砂丘(砂漠砂丘)を作ります。
砂丘では、風の作用で砂が波打つように模様を作った風紋が見られます。
また、砂が上空まで巻き上げられて遠方まで運ばれることもあります。
東アジアでは、中国内陸部のタクラマカン砂漠、ゴビ砂漠、黄土高原などで砂が巻き上げられ、上空で偏西風(ジェット気流)に乗って東に流されて、中国沿岸部や日本まで到達します。

参考文献
砂漠(サバク)とは? コトバンク 精選版 日本国語大辞典、日本大百科全書(ニッポニカ)、改訂新版 世界大百科事典、ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典、百科事典マイペディア、最新 地学事典 2026/5/9閲覧
Red Rock Canyon National Conservation Area, Wikipedia 2026/5/9閲覧
岩石砂漠(ガンセキサバク)とは? コトバンク デジタル大辞泉、精選版 日本国語大辞典、ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 2026/5/9閲覧
地理用語研究会編「地理用語集」山川出版社(2024)
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風紋はどのようにできるのか。 レファレンス協同データベース 国立国会図書館 2026/5/9閲覧
砂漠化・緑化の基礎知識 一般社団法人 地球緑化クラブ 2026/5/9閲覧
砂丘(サキュウ)とは? コトバンク 日本大百科全書(ニッポニカ) 2026/5/9閲覧
コラム「黄砂の話」|環境儀 No.08 国立環境研究所 2026/5/9閲覧
黄砂に関する基礎知識 気象庁 2026/5/9閲覧