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岩石砂漠・礫砂漠と砂砂漠(粒径による砂漠の分類)

砂漠と聞くと、一面に砂が広がるイメージが一般的ですが、実際には大きな岩石が露出した岩石砂漠の方が一般的であり、細かい砂が広がる砂砂漠の方が少数派です。
ここでは、岩石の大きさ(粒径)による砂漠の分類(岩石砂漠、礫砂漠、砂砂漠)について解説します。

粒径による砂漠の分類

岩石の粒径による砂漠の違い。(左)岩盤が地表に露出した岩石砂漠(中央)直径2mm以上の礫(小石や岩)が表面に広がる礫砂漠(右)直径2mm未満の砂が表面を覆う砂砂漠。これらの違いは風化の進行具合に起因し、風化による岩石の破断・細粒化の進行により左から右に変化していく。出典を加工して作成。出典:(左)Wikimedia Commons, ©Luca Galuzzi (Lucag), CC BY-SA 2.5, 2026/5/12閲覧 (中央)Wikimedia Commons, Public domain, 2026/5/9閲覧 (右)Wikimedia Commons, ©loveshasha, CC BY-SA 3.0, 2026/5/9閲覧

砂漠は植生が乏しいため、地表の岩盤が露出しています。
露出したかたい岩盤は、日射や昼夜の寒暖差に起因する風化によって徐々に破壊されていきます。
風化が進んでいない場所ではかたい岩盤が露出した岩石砂漠が広がります。
風化が進み、岩盤が破壊されると、直径2mm以上の小石や岩石の破片(れき)が広がる礫砂漠となります。
岩石砂漠と礫砂漠は区別されないこともあり、両方をまとめて岩石砂漠と呼ぶこともあります。
礫砂漠の風化がさらに進み、より細かくなって岩石の直径が2mm以下になると砂砂漠と呼ばれます。
このように、風化の進行によって砂漠の岩石の粒径が細かくなり、それに応じて呼び方が変わります。

一般に砂漠というと砂砂漠のイメージが強いですが、実際には世界の砂漠のうち砂砂漠は2割程度であり、残り8割は岩石砂漠や礫砂漠です。

岩石砂漠

岩盤が露出した岩石砂漠(米国西部・ネバダ州南部・レッドロックキャニオン国立保護区)。レッドロックキャニオンはモハーヴェ砂漠の最東端に位置し、風化が進んでいない岩盤が露出している。出典:Wikimedia Commons, ©giustina_ilyusha, CC BY 2.0, 2026/5/9閲覧

岩石砂漠は、地表の岩盤が直接露出し、表面が砂や礫に覆われていない砂漠です。
地表に岩盤が露出しているため、日射や昼夜の寒暖差により風化が進み、岩石が破壊されていきます。
現在、岩石砂漠と呼ばれている場所では、風化があまり進んでいないため地表の岩盤が直接露出しています。

リビア南西部の砂漠地帯タドラルト・アカクスの岩石砂漠(リビア南西部・フェザーン)。タドラルト・アカクスはサハラ砂漠の中でも特に乾燥した場所である。岩石砂漠は地表にかたい岩盤が直接露出している砂漠であり、風化が進んでいない岩盤を直接見ることができる。出典:Wikimedia Commons, ©Luca Galuzzi (Lucag), CC BY-SA 2.5, 2026/5/12閲覧

礫砂漠

礫砂漠が広がる平原(カーボベルデのボア・ヴィスタ島)。カーボベルデ(ベルデ岬諸島)は西アフリカのセネガル沖(北緯14-17°)に位置し、亜熱帯高圧帯の影響で乾燥した砂漠気候(BW)である。このため、地表に露出した岩盤が風化により割れた結果、礫砂漠が形成された。このような砂漠をハマダと呼ぶ。出典:Wikimedia Commons, Public domain, 2026/5/9閲覧

れき砂漠は、直径2mm以上の岩石や礫が広がる砂漠です。
地表に露出した岩盤の風化が進み、岩盤が破壊されて粗い礫(直径2mm以上の岩石)となります。
このように、地表に粗い礫が広がる砂漠が礫砂漠です。
さらに風化が進み、直径2mm未満まで細かくなると、砂砂漠と呼ばれます。
礫砂漠を岩石砂漠の一部に含める場合もあり、両者を区別せずにまとめて岩石砂漠と呼ぶこともあります。

礫砂漠が広がる平原(オーストラリア北東部・クイーンズランド州西部)。地表の岩盤が風化により破壊されて細かい砂礫になった後に、風により砂塵が吹き飛ばされたため、礫を敷き詰めたような平らな地形が広がっている。このような地形は一般にデザート・ペーブメント(desert pavement, 直訳:砂漠舗装)と呼ばれるが、地域ごとに呼称があり、サハラ砂漠西部ではレグ(reg)、サハラ砂漠東部ではセリール(serir)、オーストラリアではギバー(gibber)と呼ばれている。出典:Wikimedia Commons, ©John Robert McPherson, CC BY-SA 4.0, 2026/5/9閲覧

砂砂漠

タクラマカン砂漠の砂砂漠(中国西部・新疆ウイグル自治区)。砂漠の大部分は岩石砂漠・礫砂漠であり、砂砂漠は全体の2割ほどしか存在しない。しかし、タクラマカン砂漠は例外的に砂砂漠の割合が高く、全体の85%が砂砂漠である。また、砂の表面の模様は風紋といい、砂の粒子の大きさの違いにより風に飛ばされやすさが違うため、大きくて重い粒子が峰、軽い粒子が谷に集まって模様となる。出典を加工して作成。出典:Wikimedia Commons, ©loveshasha, CC BY-SA 3.0, 2026/5/9閲覧

砂砂漠は、直径2mm未満の砂が広がる砂漠です。
れき砂漠で見られた礫(小石など)が風化によりさらに細かくなり、直径2mm未満まで小さくなると砂砂漠と呼ばれるようになります。

砂砂漠では地表を砂が覆っています。
砂は軽いので風に巻き上げられ、砂漠の中で特定の場所に積み上げて砂丘(砂漠砂丘)を作ります。
砂丘では、風の作用で砂が波打つように模様を作った風紋が見られます。

また、砂が上空まで巻き上げられて遠方まで運ばれることもあります。
東アジアでは、中国内陸部のタクラマカン砂漠、ゴビ砂漠、黄土高原などで砂が巻き上げられ、上空で偏西風ジェット気流)に乗って東に流されて、中国沿岸部や日本まで到達します。

黄砂現象は、中国内陸部のタクラマカン砂漠やゴビ砂漠、黄土高原などで風によって砂が上空に巻き上げられ、偏西風(ジェット気流)に乗って流され、中国沿岸部や韓国・日本で砂が浮遊しながら降ってくる現象である。日本では春に観測されることが多く、大気が黄褐色に見えることもある。出典:Wikimedia Commons, ©気象庁, CC BY 4.0, 2026/5/9閲覧

参考文献

砂漠(サバク)とは? コトバンク 精選版 日本国語大辞典、日本大百科全書(ニッポニカ)、改訂新版 世界大百科事典、ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典、百科事典マイペディア、最新 地学事典 2026/5/9閲覧
Red Rock Canyon National Conservation Area, Wikipedia 2026/5/9閲覧
岩石砂漠(ガンセキサバク)とは? コトバンク デジタル大辞泉、精選版 日本国語大辞典、ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 2026/5/9閲覧
地理用語研究会編「地理用語集」山川出版社(2024)
礫砂漠(レキサバク)とは? コトバンク デジタル大辞泉 2026/5/9閲覧
砂砂漠(スナサバク)とは? コトバンク デジタル大辞泉、ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 2026/5/9閲覧
ギバー・プレーン(ぎばーぷれーん)とは? コトバンク 世界大百科事典(旧版)内のギバー・プレーンの言及 2026/5/9閲覧
風紋はどのようにできるのか。 レファレンス協同データベース 国立国会図書館 2026/5/9閲覧
砂漠化・緑化の基礎知識 一般社団法人 地球緑化クラブ 2026/5/9閲覧
砂丘(サキュウ)とは? コトバンク 日本大百科全書(ニッポニカ) 2026/5/9閲覧
コラム「黄砂の話」|環境儀 No.08 国立環境研究所 2026/5/9閲覧
黄砂に関する基礎知識 気象庁 2026/5/9閲覧

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