人間が食べるために栽培される作物を食用作物といいます。
農業がはじまった古代から栽培されてきた作物であり、人間が生きていくために必要な作物です。
ここでは、食用として世界各地で栽培される作物である穀物、イモ類、豆類、果樹(果物)についてまとめます。
食用作物
食用作物は人間が食用にする目的で栽培する作物です。
用途に基づく分類なので、同じ作物でもある地域では食用作物として栽培されるのに対し、別の地域では飼料作物として栽培される場合もあります。
たとえ食用にする作物であっても、工場で原料を加工・精製する過程を経て食べられる場合は工芸作物に分類されます(例:サトウキビ、茶、コーヒー)。
世界中で栽培される食用作物としては、穀物、イモ類、豆類、果樹(果物)があります。
以下ではこれらの作物について順番にとりあげます。
穀物
穀物は米や小麦などのイネ科植物から収穫できるデンプンなどの炭水化物を豊富に含む食べ物の総称です。
動物のエネルギー源となる炭水化物を多く含むため、人間の主食や家畜のエサとして世界中で多く生産されています。
人間の主食になる作物としては他にイモ類がありますが、先進国を中心に穀物を主食とする人口の方が多いです。
これは、経済成長や国際的な自由貿易の発展に伴い、同じ面積の畑から効率的に炭水化物をとることができる穀物(特に小麦)に主食が移行したためです。
詳細や個別の作物については次のページで解説しています。
参考穀物(米・小麦・トウモロコシ・麦・雑穀)
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イモ類
イモ類とは、植物が地中で栄養分(デンプン)を蓄えて含んだ部位(芋)を食用とする食べ物の総称です。
炭水化物を多く含み、主要な穀物(米や小麦など)の栽培の栽培が難しい地域でも栽培できる品種も多いことから、発展途上国を中心に広く主食として栽培されています。
先進国でも歴史的に貧しい人々の食事(ヨーロッパにおけるジャガイモ)や飢饉(ききん)の際に命をつなぐ救荒作物(きゅうこうさくもつ、日本のサツマイモ)として利用されてきました。
先進国では主食は穀物(米や小麦)に移行しましたが、ジャガイモは今でも副菜として広く世界中で食べられています。
詳細や個別の作物については次のページで解説しています。
参考イモ類(芋とは・ジャガイモ・サツマイモ他)
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豆類
豆類とは、マメ科植物の種子のうち食べられるものの総称です。
豆類は炭水化物に加えてたんぱく質も多く含み栄養価が高い食べ物です。
生育に必要な水の量が少なく乾燥に強いため、世界中で様々な種類の豆が栽培されています。
中でも大豆と落花生(ピーナッツ)は世界的にも重要な作物です。
詳細や個別の作物については次のページで解説しています。
参考豆類(根粒菌との共生・大豆・落花生)
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果樹作物(果物)
植物の中には、水分を多く含み甘みの強い果実を作るものがあります。
人間がそのまま食べられる植物の果実を果物といいます。
果物を実らせる作物の多くは樹木であり、果樹作物といいます。
果物の多くはビタミンや糖を多く含むため、そのまま食べられるほか、発酵させてワインなどの果実酒を作ります。
世界各地でその土地の気候に合わせて様々な果樹作物が栽培されています。
詳細や個別の作物については次のページで解説しています。
参考果物(ブドウ・リンゴ・バナナ・パイナップル他)
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参考文献
地理用語研究会編「地理用語集第2版A・B共用」山川出版社(2019)
Subsistence agriculture Wikipedia 2022/11/6閲覧
工芸作物(こうげいさくもつ)とは? コトバンク 日本大百科全書(ニッポニカ) 2022/11/6閲覧
穀物 ウィキペディア 2023/1/23閲覧
主食 ウィキペディア 2023/1/24閲覧
Staple food, Wikipedia 2023/4/3閲覧
農作物には工芸作物というものがあると聞きました。工芸作物とはどのようなものを言うのですか? 農林水産省 2023/4/29閲覧