このページでは、高校地理の地形分野について解説します。
地形分野を理解することで、その土地の地形に応じて営まれる農業や産業、集落や都市の形成、交通などの社会生活の基盤の理解につながります。
また、気候分野においても、地形性降雨のように地形に密接に関わる気象現象が存在し、それらがその土地の気候に大きな影響を与えます。
地球の表面に広がる様々な地形は、火山噴火などの地球内部のエネルギーと水の流れや風などの太陽光由来の地球外部からのエネルギーによって作られています。
これらの地形を作る力のしくみを知ることで、様々な地形がどのように形成されたかを理解できます。
以下では、地形分野の様々なトピックについて「地形をつくる力」と「地形の種類」に分けて見ていきます。
地形をつくる力

地球上で地形をつくる力を営力といいます。
営力は大きく2つに分けられ、地球内部のエネルギーに由来すると内的営力と、太陽光のエネルギーに由来する外的営力があります。
内的営力は火山噴火などを通して大規模な地形をつくり、外部営力は太陽光によって地表が温められて降った雨風が地表を削って小規模な地形をつくりだします。
営力を理解することで、地球上の様々な地形の成り立ちについて理解することができます。
-

参考内的営力と外的営力の違い(2種類の力がつくる地形のまとめ)
続きを見る
内的営力

地球内部のエネルギーに由来すると内的営力には、火山や地震によってつくられた地形があります。
火山や地震は、地球表面のプレートの動きに起因して発生します。
内部営力の源となるプレートの動きは、地球表面の地殻を十数枚のプレートに分割して説明することができ、この理論をプレートテクトニクスといいます。
地形をつくる力はプレートの境界で大きくなります。
プレートの境界では、2つのプレートの力が違う方向に動くことでひずみが生じ、長い時間をかけて新しい地形をつくります。
-

参考プレートテクトニクス(3種類のプレート境界のしくみ)
続きを見る
-

参考変動帯と安定地域・造山運動と造山帯
続きを見る
火山

プレートの境界では火山が集中的に分布し、大規模な地震が発生します。
隣り合うプレートは違う方向へ動くため、特にお互いが押し合う方向に力がはたらく場所では、大きなひずみが生じます。
この強い圧力で地下深くの岩石は融解してマグマになり、このマグマが地上に噴出する場所が火山です。
火山が噴火すると、地下深くから上がってきたマグマが大量に降り注ぎ、周囲に様々な火山噴出物が堆積します。
このような火山由来の物質が堆積してできた地形を、火山地形といいます。
-

参考火山(火山の構造・火山活動・マグマの粘性と火山の形・活火山)
続きを見る
地震

2つのプレートが押し合うことで発生するひずみはいずれ限界に達し、ある日突然ひずみを解消するために急激にプレートが動きます。
この結果、地上で大きな振動が発生し、これを地震といいます。
地震が発生すると、地上では大きな揺れに襲われて建物が倒壊したり土砂崩れが発生し、大きな被害(震災)が発生します。
また、海洋を震源とする地震の場合は津波が発生することがあり、遠く離れた場所にも到達して沿岸部に大きな被害を及ぼします。
-

参考地震(震源と震央・マグニチュードと震度など)
続きを見る
変動帯

プレートの境界が地形をつくる動きが活発であるため変動帯と呼ばれます。
変動帯は今まさにプレート境界に位置する場所であり、プレート同士の衝突や発散により大山脈や海嶺などの新しい地形が作られています。
プレート境界は3種類に分類でき、広がる境界、狭まる境界、ずれる境界があり、それぞれ特徴的な地形が作られます(広がる境界では海嶺、狭まる境界では弧状列島や褶曲山脈、ずれる境界ではトランスフォーム断層)。
特に、狭まる境界で見られる山脈を作る動きを造山運動と呼び、現在も引き続き造山運動がおこなれている(=現在も変動帯に位置する)場所を新期造山帯と呼びます。
これに対し、プレートの中央部は安定した地質構造をしている安定地域が広がります。
安定地域には、かつて造山運動が行われていた古期造山帯と長期間にわたって造山運動が発生せずに侵食が進んで平坦になった安定陸塊に分けられます。
-

参考楯状地と卓状地の違い(地質構造と地形の対応)
続きを見る
外的営力

外的営力は太陽光のエネルギーに由来する地形をつくる力です。
太陽光によって地表が温められることで、上昇気流が発生して雨雲ができたり、風が発生します。
この結果、雨水によって山の表面が削られる「侵食」や太陽光によって岩石がぼろぼろになって壊れる「風化」が進み、地球表面が削られることで新しい地形が生まれます。
侵食によって削り取られた土は雨水に流されて低い場所へと流れていき、海岸近くの平坦な場所(平野部)で堆積して三角州などの地形を作ります。

-

参考侵食による地形の形成(河食・海食・氷食など)
続きを見る
地形

地球表面に自然の力で形成された様々な形の凹凸を地形と呼びます。
地形は農業や工業など人間の活動の前提条件となる環境であり、その土地の気候の形成にも大きくかかわってきます(気候因子)。
ここからは、地球上の様々な地形を5つに分けて見ていきます。(平野、海岸地形、乾燥地形、氷河地形、カルスト地形)
平野

起伏がほとんどなく (海に面した)平坦な低地を平野といいます。
平野はその成因によって侵食平野と堆積平野の2つに分けられます。
侵食平野は地質構造に起因する平野で、堆積平野は土砂や砂礫が堆積してできた平野です。
堆積平野の多くは、河川によってつくられた地形です。
上流で降った雨は、山の表面を削りながら集まって川となり、川の下流では上流から運んだ土砂を堆積させて平坦な地形をつくります。
-

参考平野とその分類(侵食平野と堆積平野の違い)
続きを見る
-

参考河川がつくる地形(侵食・運搬・堆積と上流から河口までの地形)
続きを見る
海岸

海岸付近では、海面の変化によって作られた地形が数多く見られます。
海面低下によってできた海岸線を離水海岸と呼び、海面上昇によってできた海岸線を沈水海岸といいます。
陸上に比べて海の中の地形は比較的シンプルな形をしています。
離水海岸は元々海だった場所が陸になった場所なので、比較的シンプルな地形です。
それに対して、沈水海岸は元々陸上だった場所が海の中に沈んでできた地形なので複雑な形をしています。
海岸には岩石に覆われた岩石海岸と砂や泥に覆われた砂浜海岸があります。
とくに砂浜海岸では、海岸線に海流などで運ばれてきた細かい砂が堆積して砂州や砂嘴といった地形を形成することがあります。
熱帯や亜熱帯(温帯の熱帯隣接地域)の海岸線では、サンゴ礁が見られます。
サンゴ礁はどこでも見られるわけではなく、温かくて浅く、透明度が高い海にのみ見られます。
サンゴは代を重ねながら石灰岩質のサンゴ礁を形成していきます。
オセアニアの島々の中には、サンゴ礁によって作られた島の上に人が暮らしている場所も多数見られます。
-

参考離水海岸の地形(海岸平野と海岸段丘)
続きを見る
-

参考沈水海岸の地形(リアス式海岸と多島海・フィヨルド・エスチェアリー)
続きを見る
-

参考砂浜の地形(砂嘴と砂州、トンボロと陸繋島など)
続きを見る
-

参考サンゴ礁の地形(サンゴとサンゴ礁の違い・裾礁・堡礁・環礁)
続きを見る
乾燥地形

低緯度地域には雨がほとんど降らない砂漠などの乾燥地域が広がります。
乾燥地域では過酷な環境で風化が進み、乾燥地域特有の地形が発達します。
-

参考砂漠と乾燥地形(ワジ・オアシス・塩湖・メサとビュートなど)
続きを見る
氷河地形

地球は暖かい間氷期と寒い氷期を繰り返しています。
過去の氷期には高緯度地域に幅広く氷河が発達し、氷河の働きによって様々な地形(氷河地形)が作られます。
-

参考氷河地形(氷河による侵食と堆積)
続きを見る
カルスト地形

石灰岩質の土壌では、水に溶けやすい石灰岩が雨水に溶解して流出する溶食が進み、独特の地形を作り出します。
このような地形をカルスト地形といいます。
-

参考カルスト地形(ドリーネ・ウバーレ・ポリエなど)
続きを見る
参考文献
地形(ジギョウ)とは? コトバンク 改訂新版 世界大百科事典、日本大百科全書(ニッポニカ)、ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 2026/8/16閲覧
平野とは コトバンク ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 2022/10/29閲覧
西之島 海域火山データベース 海上保安庁 海洋情報部 2026/8/16閲覧
小笠原に新火山島が誕生? 国立科学博物館 2026/8/16閲覧
Augustine Volcano, Wikipedia 2026/8/16閲覧
オーガスティン 1976年噴火 産業技術総合研究所 地質調査研究センター 2026/8/16閲覧
ABOUT 清津峡のご紹介 日本三大峡谷 清津峡<公式>|新潟県十日町市 2026/8/16閲覧
デジタル標高地形図ってこんなにおもしろい! 東京都区部編 | 地図と測量の豆知識 国土地理院 関東地方測量部 2026/8/16閲覧















